獅林九月(豊中)例会 (平成18年9月16日)

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作品集 2

                                                                   当季雑詠

 

     同感を示すまなざし秋扇 的場秀恭 主宰
         以下 会員作品 は主宰選  主宰特選
  銀河濃しこぼれて湖を煌めかす 田中康雄
  バス降りて急き立ててくる法師蝉 澤田稔子
  穂に恵み与ふ稲妻野を駆けし 平井孝治   
  台湾の踊る信号小鳥来る 岸   薫
  風とおす添寝の親が先に寝て 村井実代子
 ○ 青空をのせて輝く水の秋 乳原 孝
  虫時雨星に有名無名あり 東  徹
  秋灯下廃刊となる雑誌繰る 平橋道子
  寝そびれて闇の虫の音聴くばかり 大平久子
  鰯雲行く末知らず夢列車 森 一心
 ○ 小振りてふ不出来を詫びて梨届く 増田雅子
  葉の上に光と遊ぶ露の玉 大洞咲子
  白桃に幽かな夕陽のいろ兆す 香田きぬ
  明日香路の茱萸(ぐみ)に古代の色ほのか 梶谷予人
  また虫のすだく小径となりにけり 井上幸郎
  知らぬ間にわが家にも棲む秋の影 高原疆次
  女といふ不思議に生くる一位の実 岡 美智子
  地下鉄の夕焼け区間黄に染まる 小原 勝
  風涼し京の町家の通り庭 大村佐紀子
  悠仁の親王(みこ)に祝ぎ唄小鳥来て 田中芳夫
  一本の好きな木があり小鳥来る あめ・みちを
  秋の雷呵責のごとし夕支度 澤田稔子
  秋天を斜(はす)に破りて鵙猛る 須藤みさを
  玻璃越しにリビング覗く秋の蝶 堀之内鼓潭