獅林九月

爽やかや猫が開け行く自動ドア		的場秀恭　主宰
以下　会員作品　○は主宰選　◎主宰特選
	枕もとハーブ爽やか夢の中	畑山美代子
○	爽やかに庭師の纏ふ木の香り	浅見雲舟
	爽涼や「去来」の小さき墓の前	須藤みさを
	爽やかや朝の食卓珈琲挽く	田中康雄
◎	爽やかや座席譲りし娘の笑顔	堀之内鼓潭
	爽やかや青年すっと席譲り	村井実代子
	しゃっきりと子を叱る嫁爽やかや	岸　　　薫
	星砂の星数へをり爽やかに	乳原　孝
	頬なでる風爽やかな朝散歩	田中幸雄
	爽やかに駅員の押す車椅子	荒木律子
	産声のさやかに王子ご誕生	大平久子
	爽やかに日嗣の御子の生れけり	森　一心
	爽やかに旅立つ朝の庭に立つ	塩坂和子
○	旅に出る思案めぐらせ爽やかに	久山田鶴子
	さわやかに主婦まだ浅き正座かな	高橋幸子
	初顔の朝のあいさつ爽やかに	大洞咲子
○	爽やかやこの文語体十七字	井上幸郎
○	爽やかや詠歌唱へて巡礼す	梶谷予人
	爽やかに子鷺佇む洗堰	高原疆次
	結納も婚の荷もなく爽やかに	天日照子
	爽涼ややおらひもとく方丈記	竹下一善
	爽やかに両手に受くる薄茶わん	岡　美智子
	爽やかやおむつがとれて誕生日	小原　勝
	爽やかや青きハンカチポケットに	大村佐紀子
○	爽やかや旅の始まる発車ベル	東　　徹
	湯上りに冷茶いっぱい爽気かな	島田スマ子
	爽涼の街角に買ふ旅の靴	あめ・みちを
	散水を終へて爽やか空の色	河原豊操
	ハンカチ王子爽やかに進学と言ひ切りし	田中芳夫