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作品集 2

           言ひ草のふと父に似て温め酒 的場主宰
                      印は主宰選句
夕映えに鳥待つ柿のいとやさし 菱田加重子
美しく老いゆく人と枯野ゆく 谷口志津
楚楚として路地を咲ききる冬の菊 乳原 孝
今風に二色のマフラー巻く青年 牧瀬祐子
雪吊りや濁世暗しと言ふなかれ 森 一心
梵字書き大鍋ぐつぐつ大根焚き 泉 英蔵
露座仏に一葉の紅葉供え置く 谷口志津
旧札と新札並べ一葉忌 三木市子
小春日や酸素ボンベを道連れに 天日照子
小さくて余白少なき日記買う 森 一心
小春日や幼な歌など二つ三つ 山浦 純
句の出来ず小春にゆくり水車まふ 谷口志津
  神の留守巫女は欠伸を噛みころし 竹下一善
靴底の疲労熱もつ暮の市 あめ・みちを
老ゆること初心者同士炬燵出す 小原 勝
抽斗の長き自分史焚火とす 天日照子
災いも憂きも流さむ年の瀬に 松崎泰子