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作品集 1

            未知数へ昂る余生日記買う 的場主宰
                     印は主宰選句
  焼芋の湯気にも似たる笑顔かな 香田きぬ
町内と云ふ人脈の餅つき会 岸  薫
  さまざまな人の歩幅よ風師走 山本フミ子
布団ほす腓(こむら)きりりと子は妻に 長清水美代子
飾り付け待つ人形に菊選ぶ 浅見雲舟
  惚けるより惚れる人生冬うらら 田中康雄
 ○ 神農の虎が首ふり寒うなる 泉 英蔵
  松茸を願ひてをりし松病みぬ 佐久間静子
一葉も英世も待機お年玉 香田きぬ
  形振りは埒外のこと蟹?}る 岸  薫
枯菊の中に緑の生きてをり 池田慶子
  矍鑠と忿怒のポーズ枯蟷螂 田中康雄
  焼藷に幼心を温めおり 山本フミ子
  鯊釣や川口に映えし近代橋 平橋道子
湧き水の気泡からめて舞ふ落葉 浅見雲舟
小春日に姉妹協力おこた出す 三木市子
窓外の海霧立ちて穴子飯 松崎泰子
  短日や菓子箱変じ薬箱 小原 勝
  紅灯のにじむ横丁小夜しぐれ 田中康雄
  芒ほうと記憶の烟りゆく 香田きぬ
花嫁に見とれてをりぬ七五三 岸  薫
寝つかれぬ冷たきままの足の指 池田慶子
  韓流に押し流されて年暮るる 三田村 和
出展の墨する正座冬の雨 山本フミ子
  げんまんの指にとびつく冬茜 長清水美代子
枯れ蔦のお役御免とぶら下がる 浅見雲舟
学び舎のチャイムまろやか小春かな 有馬正恵
短日や時計見直す夕仕度 畑山喜美代