主宰作品

　　　　　　　　　　　　遠きほど過去は鮮明七五三

的場秀恭

 以下会員作品　　　○　主宰選句　　◎　主宰特選句

健気とや一心とや言はむ石蕗の花

梶谷予人

 　　○

衣子姉を慕ひ来にけり麦浪忌

大平久子

麦浪忌句姉と慕ひし方偲ぶ

小原　勝

ケータイは小声で山茶花日和かな

大平久子

露月山盧意外に小さし栃実る

梶谷予人

 　　◎

秋天を大きく広げ庭師去る

塩坂和子

白菊や掃ききよめたる朝の庭

大庭宣子

初めての行き方で行く麦浪忌

有馬正恵

菊の香や遺影に偲ぶ在りし日を（天日照子姉）

大平久子

破れ蓮は肩怒らせて朽ちにけり

小原　勝

拓本採る隷書の文字や秋日濃し

平橋道子

秋の虹縮緬の町寂れおり

平橋道子

何事もなくて小用に冬立つ日

井上幸郎

コスモスとしばし語らふ車椅子

香田きぬ

コスモスの丘に登りて天に触れ

山浦　純

何もせぬ秋の蚊打ちてしまいけり

高原疆次