獅林三月例会(寝屋川句会)(平成30年3月10日)

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作品集 3  当季雑詠

 

  主宰作品         

           おほかたは余生の話水温む         

 

 

 的場  秀恭

  以下会員作品      主宰選句 

 歌う児に保母の手拍子雛祭

 荒木   律子

 

 くだものを剥けば滴る春の水

 大野   恭子

 鳥語しきりもうまもなくに水温む

 梶谷   予人

 

 すき間なき菜の花の黄の重からず

 根来久美子

 

 梅ほぐれ人もほぐれし梅日和

 江坂志津子

 

 四方山に溢るる春の命かな

 藤原   ナヲ

 

 近づけば灯る外灯春の宵

 矢野   悦子

 

 老いてなおこころ遊ばせ雛を描く

 藤本   一美

 

 半仙戯ゆらゆらしたい夜もある

 阪本      彰

 

 町起しうすれ伏屋もひなの宿

 池田恵美子

 

 SLの朗らかに発つ花の下

 岸         薫

 

 妣(はは)の座の丸き座布団春炬燵

 柄須賀咲智子

 

 白砂利の隙間すきまの芽吹きかな

 大原 ふじ子

 

 黍団子子に持たそうか庭に雉

 平田   市子

 

 卒業やランドセルなき背な送る

 浜田  清美

 

 春めくや秘めしおもいの巫女の鈴

 川北   陽子

 人影の揺れてなまめく春障子

 森本加寿子

 

 在りし日の思ひ出にふれ雛飾る

 的場 ヒサ子

 

 啓蟄や騒めく街の交差点

 高橋   幸子

 

 潮風やカーテンのごと干し若布

  田畑   房子

 

 黒繻子(くろしゅす)に椿一輪ママの帯

 森   麻季

 

 あろう事か兜太の不覚春一番

  華  呼々女

 

 聞き流すことも身につけ川柳

 田渕   豊久

 足触るは会話のはじめ春炬燵

 峯松  秀吾

 

 木の芽風庭師のハサミ音高し

 大本   和俊

 

 海少し見えて野梅のこぼれ咲く

 江草   純子

 

 春色のTシャツ決めるブルドッグ

 田原  知子

 

 陽炎やゆらりふわりと球蹴る子

 えんどうたえこ

 

 春耕の土のぬくさや鍬光る

 諸岡   玲子

 

 自転車のドミノ倒しや春一番

 小西   由起

 

 青年に青年の足青き踏む

 田中      俊

 

 ただ一輪切るをためらう紅椿

 川部   秀江

 

 万年も生きる苦しみ亀鳴けり

 あめ・みちを

 

 主宰座に居(お)られ安堵の雛句会

 増岡   一代

 

 春泥の道掘り返す決算期

 奥村   遊山

 

  菜の花の小径かけぬけ来る姉妹

 大竹   昌子

 

 

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