主宰作品　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　 暫くは風通はせて雛の間　　　　　　

　的場  秀恭

  以下会員作品　　　　　○　主宰選句　

　春光や木々もいきいき深呼吸

　津?小百合

　卒業のスカーフはばたく蝶結び

　大平   久子

　あっぱれや平昌五輪のスケーター

　藤原    ナヲ

　もてなしや侘助一輪さりげなく

　藤本   一美

　鞦韆をこぐ子恐怖の高さまで

　梶谷   予人

　診察に付き添う息子春のどか

　小林   順子

　恋の猫痛みをほぐすストレッチ

　阪本      彰

　朱の椀にパンと叩きて木の芽の香

　薮内 ミユキ

　お雛さま我家と共におわします

　大原 ふじ子

　水流る目向ける音や春兆し

　浜田   清美

　いかなごの釘煮になるとは思ふまじ

　野村   朴人

　御朱印帳足に任せて日永かな

　川北   陽子

○

　二十年句座の主役の夫婦雛

　森      一心

　荒磯の香りたつなり新若布

　古田   勝子

　お日柄もよしと雛の句座に待つ

　高橋　 幸子

　紙雛のおもてもうらもお出迎へ

　増田   雅子

　花辛夷真青な空へ揺れやまず

　田畑   房子

　子の未来托すがごとく雛飾る

　的場 ヒサ子

　表紙絵の筆を擱（お）く師や糸柳（獅林表紙）

　峯松   秀吾

　霾や空のどこかに百名山

　田原   知子

　梅林をぬけて天守を仰ぎ見る

　江草   純子

　ちちははの影なく蝌蚪の遊びをり

　山浦      純

  夢を詰め鞄の重き受験生

　えんどうたえこ

○

　春泥を踏む春泥を避けし足

　田中      俊

  ほのあまき香りの風や梅の花

　堀　　  芳子

　花束を置くやうにして流し雛

　あめ・みちを

　佳きことのありそな予感春の虹

　諸岡   玲子

　春夕焼無事のひと日の大団円

　奥村   遊山

○

　囀りはいつも頭の真上から

　松島   圭伍

  春風やピザ屋開店坂の町

　小西   由起

　紅花は修二会を飾る和紙椿

　田中   秀明

　「そだねー」と胸のメダルに風光る

　増岡   一代

　土筆摘む火の見櫓のある故郷

　田渕   豊久