獅林三月例会(寝屋川句会)(平成29年3月4日)

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作品集 3  当季雑詠

 

  主宰作品         

           取り合ひて泣きし日もあり雛あられ         

 

 

 的場  秀恭

  以下会員作品      主宰選句 

 

 下萌や大地息づく声少し

 田畑   房子

 三十年を使ひし雅印雛に押す

 富田   恭子

 

 春泥に誰か置く石二つ三つ

 柄須賀咲智子

 弟も呼びて分け合ふ雛あられ

 峯松  秀吾

 

 春光を打ち返したりバドミントン

 高橋   幸子

 

 紙雛折りて姉妹のほほゆるむ

 大竹   昌子

 紀の国は木の香父の香梅かをる

 大平   久子

 

 片すみの蕾の鉢や二月尽

 川北   陽子

 

 七段の雛に華やぐ施設かな

 江坂志津子

 

 開け放つ窓の煌めく木の芽風

 池田恵美子

 米寿なり祝ひは妻の五目鮓

 野村   朴人

 

 一病があって笑顔や雛句会

 大原 ふじ子

 

 春昼や内の子となり遊ぶ鳥

 浜田  清美

 

 薄氷や筧の水のちょろちょろと

 藤原   ナヲ

 

 肘つきて車窓に春の富士仰ぐ

 藪内 ミユキ

 

 句に遊ぶ吾人生や春句会

 大野   恭子

 

 ふっくらと蕾ふくらむ春の空

 津崎小百合

 

 青空のすき間をぬって春の雪

 高松   惠子

 

 ふるさとの香りなつかし草の餅

 大庭   宣子

 もてなしは一心同体めをと雛

  森      一心

 

 妻の座に馴れ行く日々や菜種和え

 増岡   一代

 

 春光に瞳の中へ蝶飛べり

  藤本   政子

 

 青ぬたの味見の指で鼻を掻く

 阪本      彰

 

 帯解は安産の神桃の花

 梶谷   予人

 

 梵鐘の余韻霞をふくらます

 東         徹

 

 赤ちやんの歯のなき笑顔うららけし

 増田  雅子

 

 箸使ひ上手にできて雛祭

 田原  知子

 

 疑問符の蕨いつぱい籠一杯

 松島   圭伍

 

 菜の花の真中に鉄路発車ベル

 田中      俊

 

 水二重三重に重なり温みけり

 あめ・みちを

 

 くぎ煮メモ母の手馴れし草書体

 山浦      純

 

 痛いとこだらけの春の八十路かな

 鳥居   弘美

 

 非凡より凡なるが良き春うらら

 大本   和俊

 

 みつめれば見つめられおり春の月

 河合   和彦

 

 春めくや嬰の耳たぶすきとほる

 友成   陽子

 

 

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