獅林三月例会(寝屋川句会)(平成29年3月4日)

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作品集 1  兼題 「霞」 


 

 主宰作品             

           稜線をしばし和ませ夕霞  

 

 的場  秀恭

 以下会員作品      主宰選句

 

  夕霞鐘の余韻の届くのみ

  大竹   昌子

 

  仙人の深きため息霞たつ

 川北  陽子

 

 濃霞割(さ)くやディーゼル着くホーム

 高橋   幸子

 霞みても手に取るような故郷かな

 峯松  秀吾

 

  朝焼の棚引く雲の霞をり

  富田   恭子

 

 はんなりと棚霞引く朱雀門

 柄須賀咲智子

 

 家々の灯ほのかに夕霞

 田畑   房子

 

 オムライス待つ店の外霞かな

 有馬   正恵

 

 朝霞むダム湖に淡き光さす

 堀    芳子

 

 神御座す熊野三山棚霞

 大平   久子

 

 一条の光霞を突き射せり

 小西   由起

 

 友の待つ古里の島遠霞

 高松  惠子

 

 空と海霞て浜に龍馬像

 江坂志津子

 

  くしゃくしゃに人影けずる夕霞

 池田恵美子

 

 見下ろせる大都会にも春霞

 増田   雅子

 

 手を繋ぐ孫の声高薄霞

 大原 ふじ子

     

 春霞切っ先丸き剱岳

 田原   知子

 

 ふんはりとうき世の空に春霞

 小原    勝

 

 花嫁の幸せの笑み春霞

 大庭   宣子

 三山をつつみて大和霞けり

 松島   圭伍

 

 思い出の昭和は遠く霞けり

 佐々木まゆみ

 

 目覚むれば瀬音しきりよ春霞

 小寺   保子

 

 吾が耳の衰へかとも鐘霞む

 梶谷   予人

 何ごともかすみとなりて老いゆかん

 藤本   一美

 

 潮時の霞に浮子(うき)を見失ふ

 阪本      彰

 

 舟唄は瀬戸の水夫(かこ)たち海霞む

 あめ・みちを

 

 ハルカスの高みに街の遠かすみ

 諸岡   玲子

 

 晴れてゆく霞のような八十路欲し

  鳥居   弘美

 息吹満つ野山を隠す遠霞

  浜田   清美

 ハルカスの気配のこせる遠霞

 岸    薫

 

 山山の消ゆる大和の朝霞

 根来久美子

 

 淀の川二河跨いで夕霞(男山頂上より)

 川部   秀江

 

 春霞ゆっくり回る観覧車

 田中      俊

 

 一筆絵棚引霞朱鷺色に

 藤本  政子

 遠山の霞の先の明日かな

 森      一心

 

 春かすみクレーンの動きもつれけり

  澤田   稔子

 

 夕がすみ釣舟の影辷り来る

  山浦   純

 

 霞む路チリンチリンと鐘が鳴る

 平田   市子

 

 古里の低き稜線薄霞

 増岡  一代

 

 黒猫のチロと舌だす春霞

 河合   和彦

 

 霞生みし山河ふかぶかしづもれる

 門田 てる子

 

 曳船の霞める島より帰り来ぬ

 友成   陽子

 

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