獅林奈良例会(平成26年5月24日)

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作品集 3  当季雑詠

 

    主宰作品             

           故郷は真水の匂ひ風薫る       

 

  的場  秀恭 

 以下会員作品   主宰選   

 

  畝一つ横綱級のねぎ坊主

  向山  純子

 

  花は葉に幹に黙せる父性かな

 岩佐世紀子

 

 スーパーを出れば薄暑の忍び寄る

 有馬  正恵

 

 風を得てらしく揺るるよ罌栗の花

 根来久美子

 

  葉桜の中を僧行く東大寺

 塚田   和枝

  

 美容師の憎めぬお世辞更衣

 小原    勝

 

 葉ざくらや飛鳥天平視野の中

 田中  邦夫

 

 夏落葉無言のままのわかれかな

 門田 てる子

 

 大三輪や薫風抜ける三つ鳥居

 野村  朴人

  

 糸を取る少女の口の一文字

 増田   雅子

 

 語らずの幸せもあり枇杷の味

 松島  圭吾

  

  葉桜や誰も来ぬ日の暮れにけり

 弘     操

 

 田水張り風が水面に絵を描けり

 澤田  稔子

 

 たんぽぽの夢は無限に絮の旅

 塩坂  和子

 

 葉ざくらや毛馬閘門の青鉄扉

 田中  芳夫

 

 初恋の人も喜寿とか花は葉に

 森   一心

 

 幸せの形は似たり豆御飯

 長谷川澄江

 

 逃水やもう花の無き献花瓶

 乳原   孝

 

 賑はひの後の気だるさ夕薄暑

 大平  久子

 

 竹垣を仕上げて風の夏めけり

 増岡   一代

 

 妙齢の白毛をかくす夏帽子

 阪口   悌

 

 麦の秋優しい気持取り戻す

 田原  知子

 

 どんよりの空こそ指揮者蛙鳴く

 梶谷  予人

  

 父の文いつも短文鉄線花

 田中   俊

   

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