獅林三月例会(平成18年3月18日)
作品集 1 兼題 「霞」
| 心いま過去に遊べり遠霞 | 的場主宰 | ||
| 以下 会員作品 ○は主宰選 ◎は主催特選 | |||
| ぬきん出て霞に塔の五つ六つ | 田中康雄 | ||
| 集落は湯の香ほんのり由布霞 | 高松勝代 | ||
| 朝がすみ伊吹の裾にひろがりて | 岩田 治 | ||
| 夫と来し吉野の里は花霞 | 富田恭子 | ||
| 音にまでぼんやりかかる春霞 | 小西由紀 | ||
| 七重八重彩を折りつゝ霞み暮る | 柄須賀咲智子 | ||
| 大和三山いずれを見るも霞みけり | 森 一心 | ||
| ○ | 霞立つはるけき野路を逢はむとて | 平山茂子 | |
| ふる里へ汽車霞みゆく遠景色 | 向山純子 | ||
| 風生れて霞みし里の浮び出る | 三井満子 | ||
| 海凪ぎて巨船出航春がすみ | 竹下一善 | ||
| 野も山も溶けてしまいし春霞 | 橋川斐子 | ||
| 霞む海まなこ失ふ魚干す | 山本フミ子 | ||
| 名のあるなしの山々に春霞 | 福井勝子 | ||
| 霞曳き沖より一船戻りけり | あめ・みちを | ||
| 救急車霞める橋に消え去りぬ | 荒木律子 | ||
| 千年の夢茫茫と河霞む(淀川) | 長清水美代子 | ||
| 万葉の里は萌黄に遠霞 | 塩坂和子 | ||
| 霞立つ艇庫の扉開いており | 天日照子 | ||
| 一塔を空に残して寺霞む | 木寺茂子 | ||
| 春霞み水輪重ねて鳥の群 | 川辺秀江 | ||
| 春霞木曾にこだます木挽唄 | 菱田加重子 | ||
| 同じ路また帰らむか山霞 | 高橋幸子 | ||
| ○ | ゆるやかに曲がる大河や夕霞 | 藤井洋子 | |
| 一番機飛び立つ空港霞みをり | 平橋道子 | ||
| ○ | 母の打つ鍬音ありて夕霞 | 山崎貞子 | |
| ◎ | 出航や霞に握る紙テープ | 乳原 孝 | |
| 寂々と一村包む夕霞 | 二宮節子 | ||
| またあした声かわす子や薄がすみ | 田畑房子 | ||
| 公園を名所に変える朝霞 | 三木市子 | ||
| 宝来寺霞める彼方塔昇る | 八尾綾子 | ||