獅林奈良例会(平成23年5月21日)
作品集 3 当季雑詠
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主宰作品 退屈を呑み込んで山緑かな |
的場 秀恭 |
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以下会員作品 ○ 主宰選 |
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生みたての卵ざらざら聖五月 |
松島 圭伍 |
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サングラス一歩踏み出す勇気くれ |
森中 繁子 |
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葉脈を透かして揺るる柿若葉 |
宮? 紀元 |
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○ |
おぼつかぬ足で踏ん張る子鹿かな |
中田 裕子 |
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厨事の音ことことと春の雨 |
木寺 茂子 |
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薫風やホットパンツの闊歩する |
井上 幸郎 |
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歯の疼き薔薇の白さの憎らしく |
田中 康雄 |
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黒南風や阿修羅の眉間憂ひ濃し |
森 一心 |
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曲水に流れる羽觴新樹光 (城南宮にて) |
高砂 昭子 |
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フルートへ少女の息や聖五月 |
乳原 孝 |
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鹿の子に気配りの母寄り添ひて |
根来久美子 |
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新緑の芝生ひろびろ試歩伸ばす |
野村 朴人 |
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○ |
豆飯があれば幸せ孫呼ぼか |
大平 久子 |
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葉桜や久のたよりの濃く短か |
増田 雅子 |
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過ぎ去りしものの影あり花は葉に |
あめ・みちを |
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草笛に平成の音を探し吹く |
東 徹 |
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あの時は土筆のような男だった |
宮崎 善行 |
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目つむりて五月の風に頬あづく |
高原 風太 |
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○ |
牡丹の芯を見よとて開きけり |
大村佐紀子 |
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蛇苺また妹が嘘を付き |
田中 邦夫 |
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囀りの主知りたくて双眼鏡 |
駿河谷敏枝 |
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見送りのテープの先も夏帽子 |
阪本 彰 |
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薫風の奈良はまほろば奈良句会 |
田中 俊 |
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白シャツに緑の木漏れ日ちりばめて |
香田 きぬ |
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おしみなく風飲む河原鯉のぼり |
澤田 稔子 |
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汝とて気を病むあらむ蝸牛 |
梶谷 予人 |
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風薫る今日の一日は奈良の人 |
池田 慶子 |