獅林寝屋川例会(平成23年3月26日)

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作品集 3  当季雑詠

 

  主宰作品         

           頑張れの言葉ひしめく朧の夜         

 

 

 的場  秀恭

 

  以下会員作品   主宰選 

 

  産声を待ちて家族の春の風

 有馬   正恵

 

 百歳(ももとせ)を生きられ友の母うらら

 池田恵美子

 

 塀の内隠れられない沈丁花

 堀    芳子

 

 胆石の溶ける薬や春になり

 大原 ふじ子

 

 菜畑に迷路あるらし児の歓声

 小西   由起

 

 安否問ふ一行未満春の闇

 乳原     孝

 

 花冷えも我関せずと鳥群れる

 峯松   秀吾

   

 初蝶の未知へ無傷の翅広ぐ

 あめ・みちを

 

 若布干す漁師の妻は話しずき

 田畑  房子

 手の皺の数程の老水ぬるむ

 澤田   稔子

 

 春風に押されて軽く坂登る

 増岡   一代

     

 突然の春雷茶房の人となる

 大庭   宣子

 

 春の雪海のあなたの尋ね人

 梶谷 予人

 

 旅立ちの子らを見送るチューリップ

 藤本 一美

 

 日脚伸ぶ注いで注ぎ足すポットの湯

 川部   秀江

 

 青き踏む野守の如き人の影

 東         徹

 

 羽根球の形に辛夷咲き初めり

 小原   勝

 

 哀れなる津波のあとの春景色

 橋川  斐子

 

 水取や寒さに耐ふる酒少し

 野村   朴人

   

 春の野や双子のねむる乳母車

  大平   久子

 

 啓蟄や最古の埴輪目を覚ます

 森     一心

 

 垢抜けて凛凛しく変わる卒業生

 平井   孝治

 

 地震続く奈落の里に春を待つ

 荒木   律子

      

 パン焼きの香りが告げる春の朝

 平田   市子

 

 限り無く全て飲み込み海が竜(たつ)

 藤本   政子

   

 八重椿日差しを誘う庭となり

  山本 フミ子

 

 元気だと聞きほつとせり木の芽晴

 松島   圭伍

  

 今日ここに居る幸せの雛句会

 高橋   幸子