獅林五月例会(平成17年5月21日)

     ホームページ   作品集 1    作品集 3    写真集 1     写真集 2

                       作品集 2  当季雑詠

      生き様の違う歩幅や夏の雨 的場主宰
                   以下 会員作品は主宰選 
ぼうたんや蕊金色(こんじき)に陽を返す 堀之内鼓譚
芍薬の苑さまざまに色競う 坂口高子
頬撫でる風のやさしさ夕薄暑 田中幸雄
初恋の理科室きっと青嵐 乳原 孝
ぐいと飲むラムネの空の青さかな 岡 美智子
行く春や興亡をよむ砦跡 須藤 操
法螺の音が山彦となる谷若葉 竹下一善
岩肌に彫られし不動滝しぶき 八尾綾子
船場の灯三越消えて青嵐 小原 勝
眩しさの若葉へ暗き御堂出て 平山茂子
わが思ひ映して火色(ほいろ)山つつじ 森 一心
当麻寺番傘似合ふ花ぼたん 島田スマ子
石楠花や古い記憶の夫の声 荒木律子
鹿の子や春日の森をかけめぐる 角井久美子
蘇る去年の想い更衣 有馬正恵
大地裂く竹の子の力煮て食はむ 田中康雄
風薫る奈良は仏と鹿の町 塩坂和子
九体寺の水面の浄土著莪の花 木寺茂子
明日なきや桜花見に今日生きて 菱田加重子
実楓の飛び立つかまえ密集す 大平久子
脈拍の不整を託つ青嵐 天日照子
花あざみ不安つのらすかえり道 平橋道子
透く衣をたためば匂ふ夕薄暑 あめ・みちを
幼なより変身願望更衣 長清水美代子
蓮の風弥陀の結印なぞりゆく 梶谷予人
薫風や青き頭(つむり)の美男僧 井上幸郎
茶畑の広がる緑に風車舞ふ 島田スマ子
田水張るさざなみ寄する雲流る 香田きぬ
揚羽みる心の重さ秤るごと 宮崎善行
夏めくや飛行機雲の消えずあり 八尾綾子
メール打つすぐに返信風薫る 篠原美代
紫のうねりのままの藤の花 増田雅子