獅林五月例会(平成17年5月21日)

                  ホームページ    作品集 2    作品集 3    写真集 1    写真集 2

                   作品集 1 兼題 「薄暑」

      充電といふ名の怠惰夕薄暑 的場主宰
               以下 会員作品 は主宰選 
夕薄暑視線そらした友に笑み 谷口志津
遠き日をたぐり寄せたる夕薄暑 森 一心
つば広の帽子風切る街薄暑 新居純子
子の頭三分刈りなる薄暑かな 向山純子
病む友とゆっくり歩く薄暑かな 大村佐紀子
薄暑かな籠屋はそぎ竹おどらせて 八尾綾子
水流る岩にくだける薄暑光 角井久美子
人力車駆ける奈良町薄暑光 木寺茂子
窓開けて風の抜け道昼薄暑 木村安子
水買ひて薄暑の巴里を逍遥す あめ・みちを
やは肌に光弾けて街薄暑 竹下一善
杜薄暑平癒祈願の百度踏む 田中康雄
誰が咎に帰すなく老いき古都薄暑 田中芳夫
田の水面鏡となりて薄暑来 西村伊一郎
手漕舟櫂に流るる薄暑光 須藤 操
前厄と知りたる後の薄暑かな 小原 勝
鹿憩う奈良借景の薄暑かな 塩坂和子
帰れコール声が野に散る薄暑かな 荒木律子
纏いつく青春(とき)を引きずる薄暑かな 菱田加重子
夕薄暑やっと着きたる旅の宿 有馬正恵
句仲間と薄暑楽しき古都めぐる 大平久子
薄暑にて本堂せまし忌を修す 平橋道子
行きずりの沈(じん)香ほのと古都薄暑 長清水美代子
駅からの歩いて五分薄暑かな 梶谷予人
大工左官煙草休みの薄暑かな 井上幸郎
深海の水を購ひ薄暑かな 宮崎善行
青信号渡りきれずに街薄暑 香田きぬ
風薫るからくり人形宙返り 篠原美代
ビル街に風の道ある薄暑かな 東  徹
薄暑めく旧き土塀のつづく道 佐久間静子