平成20年5月17日 獅林奈良例会

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作品集 3   当季雑詠

 

 主宰作品

          瀬の音の昂ぶる辺り夏兆す

 

  的場秀恭

 以下会員作品  は主宰選句

 

  春キャベツ母が抱えて「また来たよ!」

  平田市子

 

  早乙女の姿なき田の近江かな

  高砂昭子

 

  少年の靴に野の草夏はじめ

  田中邦夫

 

  菖蒲湯の孫の笑顔に長湯かな

  清水良三

  

  いまはただ緑の中に浸りけり

  新居純子

 

  子鹿はね跳ねて明るき神の森

  塩坂和子

 

    豌豆剥く指は老えども大健気

  島田スマ子

 

  鹿に逢ひ阿修羅拝みて風五月

  森 一心

 

  麦秋や伊吹の山は雲の傘

  宮崎紀元

 

  友の手空豆剥きて弾む声

  久山田鶴子 

 

  一茎の草と吹かるる川蜻蛉

  香田きぬ

 

  青あらし子の爪どこか割れてゐる

  乳原 孝

  

  朝市の茄子にとび交う河内弁

  平井孝治

 

  一房を風に預ける藤の花

  増田雅子

  

  花屑を頭に飾り亀浮けり

  梶谷予人

 

   更衣男のすなる束ね髪

  東  徹

 

  公園の鳥獣保護区風薫る

  木寺茂子

 

  へぼ将棋今日は負ける日子供の日

  田中康雄

 

  足し算の指の思案や風かをる

  あめ・みちを

 ○ 

  万緑をふり切って行く救急車

  宮崎善行

 

  このあたり平家沈みし卯浪かな

  大村佐紀子

 

  新緑や肌透きとほる露天風呂

  井上幸郎

 

  夏立つや小魚遊ぶ忘れ潮

  塚田カヅヱ

 

  大声の遠足の子等麦の秋 

  大庭宣子