平成20年5月17日 獅林奈良例会

                       ホームページ   作品集 2    作品集 3     写真集

作品集 1  兼題「麦の秋」

 

 主宰作品

          両の掌に風の匂ひや麦の秋

 

 的場秀恭

 以下会員作品  は主宰選句 

 

  麦秋やつめ放題の野菜うり

 向山純子

 

  見晴かす大和三山麦の秋

 高砂昭子

 

  黄昏のひかり残れる麦の秋

 木寺茂子

 

  約束の壊るる音や麦の秋

 岩佐世紀子

 

  麦の秋遠く下校の子ら見ゆる

 大村佐紀子

 

  麦秋の波ささやきて野の仏

 平井孝治

 

  控えても肥る体質麦の秋

 坂口高子

 

  麦秋や丸善(アテナ)インキのすたれ壜

 田中邦夫

 

  安土野や信長ゆかし麦の秋

 田中幸雄

 

  麦浪の名句は不朽麦の秋

 森 一心

 

  心病む友につき合ふ麦の秋  

 新居純子

 

  少年に変声期過ぎ麦の秋

 東  徹

  

  憂き事を背負う醍醐味麦の秋

 有馬正恵

 

 パンのみに非ず値上がり麦の秋

 小原 勝

  

 この空と道づれ奈良へ麦の秋

 岸  薫

 

 パッチワークめきて麦秋刈られけり

 田中康雄

 

 旅心色づくころや麦の秋

 乳原 孝

 

 売土地の看板もある麦の秋

 池田慶子

  

 猫の手となる里帰り麦の秋

 田中 俊

 

 腹這いてまどろむひととき麦の秋

 大庭宣子

 

 十五歳いよよ大人び麦の秋

 井上幸郎

 

 麦の秋家族写真も褪せにけり

 香田きぬ

  

 叱られて尾をふる犬や麦の秋

 大平久子

 

 麦秋や卑弥呼の国はこのあたり

 野村朴人

 

 やどる陽の嵩のいや増す麦の秋

 増田雅子

  

 麦秋や過ぎし佳き日のわらべ唄

 塩坂和子