獅林三月例会(寝屋川句会)(平成31年3月9日)

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作品集 3  当季雑詠

  主宰作品         

淋しさの筋書き見えず土筆摘む

 

 

 的場 秀恭

  以下会員作品      主宰選句 

 叱られる子にも言い分息白し  荒木 律子
 蹴躓く石をとがむる戻り寒  高橋 幸子
 懐石の椀にほのかな蕗の薹  諸岡 玲子
 解体の重機アームに春の雨  江坂志津子
 とんとんと足取かるき合格子  大竹 昌子
 春寒し歯科のアームに囲まれて  有馬 正恵
 雛段に老いても美し内裏雛  堀  芳子
 暮れ残る白梅ほのと香りけり  佐々木まゆみ
 雛あられ双手に稚児の反抗期  的場ヒサ子
 啓蟄や土の匂ひに陽の匂ひ  大野 恭子
 病むことも生きていること梅ひらく  藤本 一美
 もてなしの心はこれぞ雛句会  増田 雅子
 鳥雲に入るを見送る漁師の背  藤原 ナヲ
 春浅し象徴の旅三十年  しぶやかつみ
 東北の子等へも届け涅槃西風  森本加寿子
 啓蟄や子のよじ登る太鼓橋  田原 知子
 愚痴こぼすつれ合いのいて春灯  小西 由起
 春めくや木々も目覚めて喋り出す  津崎小百合
 腰痛のやはらぐ朝の名残梅  梶谷 予人
 久に会ふ友のはげまし春来たる  阪口  悌
 朝やけに「ふるさとですか」鳥帰る  川北 陽子
 春泥をひと跳び愛を告ぐ決意  奥村 遊山
 夫婦雛並びて句座の定まりぬ  大平 久子
 被災地の古りし更地へ草萌ゆる  山浦  純
 磐梯の勇姿眼下に鳥帰る  柄須賀咲智子
 花文字のイニシャル胸に復活祭  松島 圭伍
 老ゆること許されず座す女夫雛  あめ・みちを
 惜春という航跡のようなもの  田中  俊
 剪定の鋏を置きて子と遊ぶ  矢野 悦子

 

 

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