獅林奈良例会(平成30年5月26日)

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作品集 3  当季雑詠

    主宰作品             

          夏蝶の自在の往き来無人駅      

 

  的場  秀恭 

 以下会員作品    主宰選   

 

  薫風や奈良に東西大寺あり

  森    一心

 

  風鈴の美しい音の季節です

 平田  市子

 

 クラリネットひびく城址梅雨近し

 阪口      悌

 

 一本の木に会ひに行く薄暑かな

 あめ・みちを 

  

  海風に匂ふ薬草摘みにけり

 野村   朴人

 

 駅長に燕迷わず着任す

 山浦   純

  

 緑さす若女将デビューの老舗

 新居   純子

   ○

 花あやめ話す相手は知らぬ人

 田渕   豊久

 

 シロップは地球の色でかき氷

 伊東   香織

 ○

 勝ちにけり全身汗の栃ノ心

 有馬   正恵

 

 卯浪寄す旅の心を運ぶ船

 増田   雅子

 

  先を読む少年棋士や鉄線花

 的場 ヒサ子

 

 夏雲やどの子も今日は腕まくり

 田原  知子

 ○

 怒らずに夏大根をおろしけり

 松島  圭吾

 

 廃屋の枇杷熟るるまま落つるまま

 阪本   彰

 

 新緑の中にまぎれて影となる

 門田 てる子

 

 鹿の仔に今年も逢いに奈良句会

 矢野   悦子

 

 心太言つた言はぬの押問答

 奥村   遊山

 

 降るやうで降らぬ明るさ濃紫陽花

 根来久美子

 

 締込みを浅葱に替へる五月場所

 峯松   秀吾

 

 句作りは生きることなり風かをる

 大平   久子

 ○

 八十四で妻に贈りしカーネーション

 上村   篤信

 

 新茶汲む聞き直すこと多くなり

 大庭   宣子

 

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