獅林奈良例会(平成30年5月26日)

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作品集 2 当季雑詠

    主宰作品             

          まあまあの暮し茶の間の薔薇の日々        

 

  的場  秀恭 

 以下会員作品    主宰選   

 

  吾が住むは若葉の隙間一番地

  岩佐世紀子  

 

  万緑の底に蠢く活断層

 あめ・みちを

 ひなげしや頼られてゐるうちが華

 根来久美子

 

  父の日の昭和に戻る下駄の音

 松島   圭伍

 

 老老は二人で一人花空木

 的場 ヒサ子

 

 そつと腕ぬきて昼寝の子守歌

 長谷川澄江

 ○

 リーダーの手腕問はるる蟻の列

 阪本   彰

  

 あの子にもこの時季ありぬ松の芯

 新居  純子

 

 空見上ぐ一匹をるやも蟻の列

 伊東   香織

 

  アマリリス真赤な精気地に放つ

 藤本   一美

 

 正倉院出て現世の日傘差す

 田中    俊

 

  奈良駅を出るや鹿の子とおなじ息

 峯松   秀吾

  

 アイロンに触れてハンカチ若返る

 山浦    純

 

 白旗を揚げてどくだみ庭占拠

 えんどうたえこ

 

 青年の覚悟うるはし青嵐

 森   一心

 

 皆祈る「美味しくなれ」と種浸す

  平田  市子

 

 籐椅子の軋むやとほき父のこゑ

  大平  久子

 

 緑風の相撲神社でにぎり飯

  堀   芳子

 

 地位名誉かかわりも無し更衣

  田渕   豊久

 

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