主宰作品

　　　       　　怠惰なる吾を促がして日脚伸ぶ　

的場   秀恭

以下会員作品　　　　○　主宰選句　　　

 足跡に重ねて歩く霜の道

 増田　 雅子

 水仙や獅林子の顔勢揃ひ

 根来久美子

 春隣痛みもお茶も分ちあう

 大原 ふじ子

 雀颯とおのがしわざの垂り雪

 友成   陽子

○

 大根さへ有れば夕飯ひらめきぬ

 牧瀬　 祐子

 陽の射せば少しうれしい蕗の薹

 弘　　　　 操

 野菜室ガラン白菜菊菜なし

 岸　　　　 薫

 雪積みてすがるものなき苑となり

 山下   静子

 臘梅の香りほのぼのほの明り

 えんどうたえこ

○

 寒卵まづは立たせてみたりけり

 森　　　一心

 手袋に白刃のやうな指納む

 あめ・みちを

 かざはなのつのるとみえてやみにけり

 東          徹

 石段をのぼれば明かししだれ梅

 江草   純子

 青空に冬木枝張り鳥一羽

 田中　 秀明

 押せば水嬉々と乗り込む厚氷

 田原   知子

○

 湯豆腐の湯気に隠れて私語（ささめごと）

 奥村   遊山

 空き缶をからころからかふ空つ風

 高原   風太

 凍て鶴の消えまいとして声を出す

 華　 呼々女

 暁闇の蒲団の中に帰還する

 高原   風太

 風花や乗りつぐ風の数いくつ

 山浦      純