獅林寝屋川例会(平成28年4月2日)

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作品集 2  当季雑詠

 

  主宰作品         

           昂りのまま戻り来る恋の猫      

 

 

 的場  秀恭

  以下会員作品      主宰選句 

  桜餅かおりを先にいただきぬ

 増岡   一代

 初蝶のひろげてゆきし土手明り

 藤本   一美

 

 日に新日々に新たや草萌る

 藪内 ミユキ

 

 爪に先づいただく酸味(すみ)や夏蜜柑

 峯松   秀吾

 

 春蝶や紙のごとくに吹かれ行き

 荒木   律子

 

 春風や私は私の歌うたう

 大原 ふじ子

 

 自分らしく生きて一と日の花菜風

 大庭  宣子

 

 育つ子を見届けし雛了ひけり

 富田   恭子

 

 白鷺の降り立つ川瀬の水ぬるむ

 塩坂   和子

 

 春服はぴんくと決めて同窓会

 大竹   昌子

 春荒れや浮びし句をも掠め去り

 三井   満子

 

 恋猫に眠り破られ羊よぶ

 高松   惠子

 

 春昼や大渦立てて鯉の恋

 田中   幸雄

 

 老二人明日なきものと花に酔ふ

 佐々木まゆみ

     

 踏青や嬰のまどろむ乳母車

 的場 ヒサ子

 

 花巡る姉の記憶のあるうちに (姉97歳)

 小西   由起

 

 春光に心ゆるみて山眩し

 藤本   政子

 

 人あまた亀が甲羅を干す彼岸

 田中   康雄

 

  夕泥み薄墨かかる桃の花

 田中   秀明

 

 うぐいすや宿貸す藪の減るばかり

 江坂志津子

 角番と思へ次場所も弥生尽

 小原      勝

 

 学ぶ事つきぬ晩年山笑ふ

 田畑   房子

 

 花便りも招き入れたるけふの句座

  増田   雅子

 

  青き踏む歩調の合はぬ嫁姑

  阪本      彰

 今年また句座のシンボル紙雛

 森      一心

 店の貝みんな舌出す四月馬鹿

 奥村   遊山

 

 稚児の描くマルマルマルや春の色

 平田   市子

 

 悪鬼あり善鬼もありて三鬼の忌

 梶谷   予人

 

 天満橋くぐれば花の大舞台

 柄須賀咲智子

 

 休耕田ぽかんと仰ぐ春の空

 澤田   稔子

 

 携帯の蓋の開け閉め春の雨

 高橋  幸子

 

 花の頃出会うて花の頃逝きぬ

 鳥居   弘美

 

 特別のお知らせ参り春彼岸

 有馬   正恵

 

 春の夜の望月赤く湖の上

 堀    芳子

 

 郷に入っては郷の新聞春の宿

 松島   圭伍

 

 花一輪最初にほぐる勇気かな

 田中   秀明

 

 若草に置けば輝く第一子

 田中      俊

 

 はなやかに立ち歓迎のとよす雛

 大平   久子

 

 

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