獅林奈良例会(平成27年5月23日)

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作品集 2 当季雑詠

    主宰作品             

           昭和の日幻を追ひ古都逍遥        

 

  的場  秀恭 

 以下会員作品    主宰選   

 

  お手植えの苗田に陽さす幾何模様

  森中   繁子  

 

  新緑やバスよりどつと旅鞄

 松島   圭伍

 幼子を凛々しくさせて初節句

 平田  市子

 

  葉を齧る千の毛虫の咀嚼音

 あめ・みちを

 

 心中に般若心経毛虫焼く

 大平  久子

 

 母の日や青き地球に戦の火

 岩佐世紀子

 

 たましひの舞のごとしや夏の蝶

 野村  朴人

  

 鹿の子の寄り添いて来るあたたかさ

 田中   秀明

 

 坂下に駅のある町緑さす

 有馬   正恵

 

  ほととぎす古都の奥山鳴き渡る

 塚田  和枝

 

 万緑の庭を眺めつ過す日々

 阪口    悌

 

  ねだる子のふくらむ頬っぺさくらんぼ

 田中   俊

  

 弁護してみたき毛虫の立場かな

 小原   勝

 

 燕の子見たしと杖に力入る

 鳥居   弘美

 

 新緑や町染め上げてもてなしぬ

 新居  純子

 

 更衣普段着ばかり増ゆること

 岸     薫

 

 ガラス戸にちょこんと正座する蛙

 藤本  一美

 若葉照る日の思い出や奈良句会

 澤田   稔子

 

 紙魚の痕崩し字を追ふ虫めがね

 阪本   彰

 

 つくばいの水したたりて苔の花

 米澤 カヨ子

 

 日日草今日といふ日の大事かな

 根来久美子