獅林奈良例会(平成27年5月23日)
作品集 1 兼題 「毛虫」
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主宰作品 疎まるることを護身に毛虫這ふ |
的場 秀恭 |
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以下会員作品 ○ 主宰選 |
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戻ること出来ぬこの道大毛虫 |
大平 久子 |
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変身の期待高まる毛虫かな |
森 一心 |
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ゆらゆらと風と毛虫の会話かな |
松島 圭伍 |
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重き荷を負ひたるがごと毛虫かな |
長谷川澄江 |
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地の毛虫やつさもつさと道渡る |
田原 知子 |
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○ |
幹を這ふ毛虫尺とる勤勉に |
澤田 稔子 |
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百本の針触れれば腫れる毛虫かな |
角井 くみ子 |
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疎まれて何かに耐えて毛虫這う |
藤本 一美 |
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○ |
ぶつぶつとなむあみだぶつ毛虫焼く |
阪本 彰 |
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毛虫這う俗世の事は存ぜぬと |
森中 繁子 |
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のけぞりて毛虫明日の夢を見る |
鳥居 弘美 |
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○ |
生も死も釈迦の手の内毛虫焼く |
あめ・みちを |
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空を舞ふ明日を見て欲し毛虫這ふ |
田中 康雄 |
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嫌われる毛虫も末は揚羽蝶 |
田中 幸雄 |
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今はまだ仮の姿や毛虫出づ |
増田 雅子 |
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おい毛虫俺もお前も被造物 |
小原 勝 |
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毛虫焼くそれ程の罪ありしやら |
岩佐世紀子 |
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食ひ足りて宙にひるねの糸毛虫 |
梶谷 予人 |
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○ |
数多ある生命(いのち)のひとつ毛虫這ふ |
峯松 秀吾 |
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毛虫踏み仏に侍る道遠く |
塚田 和枝 |
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山椒の木のぼる毛虫は揚羽の子 |
野村 朴人 |
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下がり来し小さき毛虫を如何にせん |
根来久美子 |
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ゆるキャラであればと思ふ毛虫かな |
新居 純子 |
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庭の木に戸籍あるごと棲む毛虫 |
田中 俊 |
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毛衣(けごろも)を捨てて毛虫は蛾の容チ |
弘 操 |
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音立てて葉を食ふ毛虫じつと見る |
阪口 悌 |
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