獅林寝屋川例会(平成25年3月2日)

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作品集 1  兼題 「梅」 

  

 主宰作品             

           梅林の香に誘はるる出会ひかな  

 

 的場  秀恭

 以下会員作品     主宰特選句     主宰選句

 

  探梅やいつもと違う散歩道

  高松   惠子

 

  梅見する浄土となして石に座し

 平井   孝治

 

 今朝の陽を余さぬように開く梅

 荒木   律子

 

  梅開く希望の明かり点すよに

  有馬   正恵

 

 人も世も移ろい早し梅の香も

  山本  フミ子

     

 齢重ね身に華やぎを梅の花

 増岡   一代

 

 人の世のならぬはならぬ梅真白

 森     一心

 

 花よりも実をとるなり梅酒呑む

 中木村清子

 

 梅見より香の移りいし服吊るす

 柄須賀咲智子

 

 梅の香を散らさぬほどに歩みけり

 峯松   秀吾

 

 老の梅紅ちらほらと気骨みせ

 浜田   清美

 

  盆梅の百歳はまだ青二才

 田中   康雄

 

 紅梅や呪文で開きそうな枝

 池田恵美子 

     

 梅ひらく新しき事始めよと

 田原   知子

  白梅の咲き満ちていまひかりの樹

 江坂志津子

 

 梅白し小さき罪を重ねつつ

 乳原   孝

    

 白梅の夕日に映えて彩冴える

 堀      芳子

 

 ゆれる雲とどまる雲や梅開く

 塩坂   和子

 

 しだれ梅鳥羽海道のおせきもち

 藤本   一美

 

 色も香も身にまといたき白き梅

 大竹  昌子

 

 梅が香へとどけとわが子抱き上げる

 三井   満子

 

 晩年や梅の名前は「みちしるべ」

 田畑  房子

 

  一輪の白梅ほのと咲きそむる

 駿河谷敏枝

 

 城聳え空澄み渡る梅まつり

 高松   勝代

 

 大阪を詠みたる句碑や梅の宮

  森       悦子

 

 梅開く時だけ開く茶店かな

 小原     勝

 

 梅が香の見えて来さうな日和かな

 東    徹 

 

 澄む眼して毀れゆく母梅真白

 あめ・みちを

 

 小さき茣蓙小さく座して母梅見

 根来久美子

 

 梅三分やつと咲きぬと日記書く

 松島   圭伍

     

 白梅に指先ふれてしまひけり

 的場 ヒサ子

 

 梅一輪ひとつの白さ語りくる

  澤田   稔子

 

  梅さむし双眸若き大尉像

  田中   芳夫

 合格のお礼のあとの梅見かな

 井上   幸郎

 

 紅梅の枝に祈願の絵馬幾重

 田中      俊

 

 抗癌のたたかひ果てて梅ふふむ

 野村  朴人

 

 白梅が見送る駅の物語

 平田   市子

 梅が香や至福とは目をつむること

 高原   風太