獅林麦浪忌句会(平成18年11月11日)

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                   作品集 3 当季雑詠

     あたふたと始める夜半の冬構 的場秀恭主宰
印は主宰選句
  我あるが故に我あり大南瓜 高原疆次
   涙腺の緩みに老知る秋燈下 高原疆次
  秋なすび嫁しゅうとめのをんな偏 長清水美代子
  仏足石木の実しぐれに疣増える 天日照子
  歩く影魔女となりゆく十三夜 家永衣子
  由緒ある織部灯篭石蕗の花 松崎泰子
  白障子へ身をすべらせて影となる あめ・みちを
  音立てて銀杏落ちるバスの屋根 山村絹子
  寄せ植えの菊それぞれの生かされて 増田雅子
  身に入むや前立と謂ふローカル腺 小原 勝
  すくすくと黄を掲げたり石蕗の花 梶谷予人
  蒼穹へつゞくコスモス畑の黙 家永衣子
  衣子姉に会える喜び麦浪忌 松崎泰子
  指先の潤ひ薄れ秋深む 中田裕子
  幸せの温もり紡ぎ毛糸編む 中田裕子
  我等獅林子聖地に集ふ麦浪忌 田中康雄
  土鍋買ふ新米少し炊きたくて 安田ミヨ子
  今買ひし夕刊翳すひとしぐれ 田中康雄