獅林七月例会(平成18年7月15日)

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作品集 2                  当季雑詠

      あぢさゐの花に頷く聞き上手 的場秀恭 主宰
                      以下会員作品       は主宰選     は主宰特選
  炎昼や淀の流れも海に入る 菱田加重子
  焼きなすび長子に嫁して六十年 長清水美代子
  露天湯の肌に影置く山若葉 須藤 操
  枕辺に紙と鉛筆明易し 大平久子
  玄関で妻の手渡す夏帽子 森 一心
  蟻まぶし大青虫をえんやらや 岸   薫
  蒸し暑しジダン退場悔残す 久山田鶴子
  肌透くる網手袋やバスを待つ 平井孝治   
  愛嬌の食べっぷり見せる金魚かな 有馬正恵
  制空の紙飛行機や夏座敷 小原 勝
  川料理密(ひそ)と貴船の恋蛍 菱田加重子
  歯並びは父似と言はれ西瓜食む 小原 勝
  風鈴の短冊に書く入選句 大平久子
  思ひ出はいつもモノクロ梅雨曇り 森 一心
  雲龍図眼光我を射る大暑(妙心寺法堂) 岸   薫
  夏至の夜やまたわが余生歩を速め 山浦 純
  電線に八分休止符夏つばめ 梶谷予人
  宇治川の先陣争ひ子は知らず 大村佐紀子
  老鶯に目覚むる朝の至福かな 岡 美智子
  重い荷を預けず炎暑に痩せ我慢 増田雅子
  過ぎし日のなぞなぞ遊び梅雨ごもり 松崎泰子
  黒百合や青春の歌こぼしけり 山下静子
  頼らるることも少なく夕端居 井上幸郎