第八回北嶺忌句会(平成18年1月28日)

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                    作品集 3  当季雑詠

     初詣絵馬に一途な幼な文字 的場主宰
       以下 会員作品 は主宰選  は主宰特選
身の内に湯ざめの熱のこもりけり 高橋幸子
巫女の舞ふ足袋の真白き初神楽 竹下一善
ゆりかもめ群れて冬日を呼び合へり 塩坂和子
粉雪舞う遠き声してふりむけば 山本フミ子
冷えし手に命ずる機器や改札口 堀江政子
  伝へ聞く師の影偲ぶ北嶺忌 高原疆次
願わくば小春の縁に大往生 香田きぬ
  万目の照るでもなくて冬きしむ 佐久間静子
  雪しまく夜は熱めの燗が良し 田中康雄
  新刊の揃ふ図書室日脚伸ぶ 平橋道子
  大寒や柱時計の音止まる 坂口高子
吐く息の雪にとけこむ過疎の村 木村安子
生き方を変へてみたくて日記買ふ 増田雅子
登校児へ白息かける師の笑顔 平山茂子
薄氷に金魚のかげは動かざる 河原豊操
枝に凶結びて吉に初みくじ 木寺茂子
曳く綱に逆らふ犬の息白し 向山純子
大なまこ生きる証に泡ひとつ 宮崎善行
凍滝や落つる姿を崩さざる 井上幸郎
底冷えの京都の駅に献血車 牧瀬祐子
ももいろに光る子を抱く初湯かな あめ・みちを
煮凝りや追伸いつも帰郷待つ 天日照子
冬凪や艀溜りは番外地 浅見雲舟
水仙を活けて交番誰も居ず 大村佐紀子
しあわせの嵩に膨らむ干蒲団 岡 美智子
あめつちの香を一椀に七日粥 長清水美代子
みぞれ降る幾代凌ぎし磨崖仏(国東) 菱田加重子
夜をこめて火守る人の凍ての朝 河原豊操
生かされて生きてゐるなり初鏡 富田恭子
御降りや今日ばかりはと句三昧 柄須賀早智子
北嶺忌集いて月日走り出す 篠原美代子
冬野菜送る祖父の手暖かく 三木市子
ゆるぎなき古城の石組み寒に入る 田中芳夫
あの星に住む兄いもとよ虎落笛 堀之内鼓譚
一番に朝の一杯寒の水 大村佐紀子
風花の町を過ぎりて貨車北へ 新居純子
ちょんとさし少女匂へる寒の紅 岡 美智子
時期遅れ菊満開に癒されし 島田スマ子
炬燵まつり村の古老の語りべに 松崎泰子
日脚伸ぶ平安神宮大鳥居 浅見雲舟
深々と思い出重ね北嶺忌 三木市子