河内楠妣庵吟行(平成17年11月28日)

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                       吟行句

      小春日の碧き空持つ楠妣庵 的場主宰
      遠き日の忠心寒し観音寺 的場主宰
      山紅葉散って日向を膨らます 的場主宰
         以下 会員作品 は主宰選  は主宰特選
黄落や麦浪師の句声出して 牧瀬祐子
  日当りて楠妣の門や濃紅葉 大洞咲子
幼な子と父の歩みや冬ぬくし 三ツ木尚子
菊水の紋章光る冬の寺 山村絹子
碧落へ生命を炎やす冬紅葉 堀之内鼓潬
照り映えて色とりどりの紅葉かな 樋口ゆう子
紅葉冷楠妣訓戒像寂びて 田中芳夫
  箒目に銀杏落葉の趣を添える 田中幸雄
山寺の軒につるさる大根干し 大洞咲子
甚平の僧にこやかに長講話 牧瀬祐子
  冬の客和尚悦び長法話 堀之内鼓潬
秋深き南朝哀史のその昔 河原豊操
  麦浪の句碑前に立つ冬はじめ(楠妣庵) 富田恭子
忠臣の里の紅葉や七百年 小原 勝
三四本束ねて青きかけ大根 高橋幸子
母子像の母凛凛しくて冬牡丹 田中幸雄
子を諭すもみじ明かりや敗鏡尼 梶谷予人
薄暗き社務所に赤き冬帽子 小原 勝
子を諌む妣の背中の冬日差 東  徹
長講話紅葉の声に気を取られ 山浦 純
ゆったりと紅葉あかりの磴のぼる 大平久子
祖師の碑の径いずこに草もみじ 梶谷予人
静寂や楠妣の井戸の苔深し 荒木律子
軒深き宝印寺の干し大根 大平久子
訪ふ人の紅葉に酔ふや草の庵 高橋幸子
静けさの中母子像に冬日照る 的場ヒサ子
胸打たる母子の像に落葉散る 山村絹子
楠公の河内平野に小春かな 小原 勝
遠き世の馬蹄響くか凍てし里 平井孝治   
山紅葉手に乗るほどの五輪塔 森 一心
麦浪碑まろやかに古り紅葉裡 岸  薫
錦映え苔むす庭の楠妣庵 大洞咲子
まほろばに師の句碑ありて小六月 田中幸雄
始祖の碑に打ち連れま見ゆ小春の日 岸  薫
沓脱ぎが結界となる小春かな 東  徹
すさまじく生きた武将に妻恋草 荒木律子
音のする東司の扉散る黄葉 大平久子
母子像に紅葉の映ゆる磴のぼる 高橋幸子
楠妣庵紅葉に染まる句碑一つ 山浦 純
散紅葉箒目にある躊躇かな 東  徹
(昭和天皇お手植の楠)

苔鎧ふ百寿の楠の紅葉して

田中芳夫