獅林忘年句会（平成１７年１２月１０日）
作品集 ２ 当季雑詠
| 手を振らぬ訣れもありて冬帽子 | 的場主宰 | ||
| 以下 会員作品○は主宰選 | |||
| ○ | カーナビに抗ひて寄る照紅葉 | 山下静子 | |
| 路地裏にケンケンパーの声師走 | 竹下一善 | ||
| 山彦に同じくしゃみをうつしけり | あめ・みちを | ||
| 占の本が山積み街師走 | 大平久子 | ||
| 丸きもの角張るものもおでん酒 | 乳原 孝 | ||
| 布団干し昨夜（きぞ）の悪夢を叩き出す | 長清水美代子 | ||
| 束の間の落葉がなぞる風の道 | 高原疆次 | ||
| 極月やなすべきつとめ残すまじ | 堀之内鼓潬 | ||
| ○ | 去ぬ年の何ぞ用ある速さかな | 須藤 操 | |
| 寒雷や耐震偽造ビル脅す | 天日照子 | ||
| ノックせずもうやって来た十二月 | 三田村 和 | ||
| 来る年もみんなの笑顔年用意 | 小原 勝 | ||
| 生きて在ることのしあわせ開戦忌 | 田中芳夫 | ||
| 夕空をコートにたたみ帰路急ぐ | 澤田稔子 | ||
| ○ | 物置のものよく動く十二月 | 牧瀬祐子 | |
| 俳人もカメラも彷徨（さまよう）歳の市 | 岸 薫 | ||
| ○ | 憚らぬインコの欠伸冬うらら | 中田裕子 | |
| さよならの声を吸い込む小春空 | 有馬正恵 | ||
| 極月や憑かれたように菜を洗ふ | 大平久子 | ||
| 売りつくす青空市や冬日和 | 平橋道子 | ||
| 蟹と酒夢中になりて年忘れ | 角井久美子 | ||
| 紅葉嬋娟黄泉に彩（いろど）りありますか | 長清水美代子 | ||
| ○ | 葉牡丹の襞よりこぼる今朝の雨 | 中田裕子 | |