獅林9月豊中例会(平成17年9月17日)

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                       作品集 1 兼題 「虫」

      かっと剥(む)く仁王の視線虫集く 的場主宰
         以下 会員作品 は主宰選  主宰特選
きりぎりす宿決めかねし能登の奥 山浦 純
 ○ これよりは虫の刻(とき)とし灯を消しぬ 須藤 操
足音を確かむ孤独虫の闇 澤田稔子
座禅組む鬼の面(つら)なるいぼむしり 菱田加重子
ちちろ鳴き震へる闇に触れてみる 田中康雄
門灯の消えしひとり居虫時雨 駿河谷敏枝
  馬追もひと休みする無人駅 林のぶえ
虫の私語灯消えたる厨前 井上幸郎
打水にあわてふためく飛蝗かな 畑山美代子
  戻り来し家の暗さやちゝろ鳴く 畑山喜美代
輪唱の寄せては返す虫時雨 森 一心
  パピルスの彩のやさしく虫集く 岸  薫
嫁ぐ娘に名残りつきずに虫の音が 村井実代子
正念場迎え聞こえる虫の声 有馬正恵
祇王寺に昼の闇ありつづれさせ 塩坂和子
原節子世を捨てしより虫の闇 乳原 孝
大いなる命の中のきりぎりす 大平久子
清貧のわれに喝采虫しぐれ 天日照子
蟋蟀の鳴く声響け五階まで 三木市子
ぢぢばばの昔語りや蚯蚓鳴く 田中芳夫
子守唄洩れて静まる虫の声 小原 勝
  道の駅産地と言ひて虫も売り 東  徹
靴ひもにすがりつちちろ夜が明けぬ 谷口志津
草むらをはみ出す如き虫しぐれ 大村佐紀子