獅林第十五回北嶺忌句会 (平成25年1月19日)
作品集 1 当季雑詠
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主宰作品 日向ぼこ聞かぬふりして愚痴を聞く |
的場 秀恭 |
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以下会員作品 ◎ 主宰特選句 ○ 主宰選句 |
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づかづかと寒気団来て居座れり |
いがらしかずを |
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ほろ酔いてぽろり本音の年の暮 |
田畑 房子 |
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着膨れの懐深く着信音 |
宮崎 善行 |
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曖昧な自分に叱咤寒昴 |
大平 久子 |
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初暦未知の月日のただ白く |
塩坂 和子 |
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○ |
日脚伸ぶ元気なうちにあちこちと |
中木村清子 |
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喜寿にして初夢やうやく富士の山 |
森 一心 |
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皺ひとつ伸びる気もして若湯焚く |
池田 慶子 |
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手の平に一個の重さ寒卵 |
松島 圭伍 |
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二上山(ふたかみ)は乳房並べて初景色 |
岸 薫 |
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○ |
待ちあぐむ賀状に安堵ありにけり |
馬場 豊子 |
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筋書きの無き日始まる初日記 |
田畑 房子 |
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せせらぎを弾く光や冬木の芽 |
的場 ヒサ子 |
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○ |
連れ添うてきたる病と日向ぼこ |
香田 きぬ |
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○ |
ぐづぐづと至福の時間冬の床 |
増田 雅子 |
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遠火事を見て寝つかれぬ夜となり |
高原 風太 |
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迷い子のような風花舞っている |
辻垣内幸子 |
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初御空光あふれておふれをり |
澤田 稔子 |
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○ |
故郷へ続く鉄路や除夜の鐘 |
仲田 英夫 |
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寒日和転ぶことまで兄の真似 |
増田 雅子 |
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清水の夜半の舞台や雪女郎 |
松島 圭伍 |
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凍滝に時間の凍ててをりにけり |
乳原 孝 |
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深々と決意がかぶる冬帽子 |
高原 風太 |
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お湯出よと水垂れ流す寒の入り |
小原 勝 |