平成24年12月8日 (獅林忘年句会)
作品集 3 当季雑詠
|
主宰作品 指先が覚えて引きぬ肩蒲団 |
的場 秀恭 |
|
|
以下会員作品 ◎ 主宰特選句 ○ 主宰選句 |
||
|
|
意味も無く心忙しき師走かな |
国分 順一 |
|
|
意のままにならぬ手袋小銭選る |
的場 ヒサ子 |
|
|
霧の街ロンドンにてと賀状書く |
森 一心 |
|
|
麦の芽の嬉々たる姿並びけり |
有馬 正恵 |
|
|
着ぶくれの中へあれこれ納めけり |
あめ・みちを |
|
|
短日や忘れ上手の人となり |
谷尾 サトミ |
|
|
落日や列を解きたる冬の雁 |
中田 裕子 |
|
|
手応のなき人生や秋深む |
平井 政博 |
|
|
人をよけ北風をよけ除けきれず |
乳原 孝 |
|
|
寒夕焼胸奥捕え山に果つ |
辻垣内幸子 |
|
◎ |
大根洗ふくぼみの一つづつまでも |
増田 雅子 |
|
|
冬の月屋根に纏いて家眠る |
平井 孝治 |
|
|
しぐれ来る文凾の底に母の文 |
田中 邦夫 |
|
○ |
にほどりの浮くを確め帰りけり |
東 徹 |
|
|
草枯れて失せし鋏の錆びてをり |
池田 慶子 |
|
○ |
どつこいしよ立つも座るも十二月 |
香田 きぬ |
|
|
真実は少し暈して白い息 |
田中 俊 |
|
○ |
読みかけの新聞畳み冬至粥 |
田中 幸雄 |
|
|
握手するだけの勵まし寒昴 |
松島 圭伍 |
|
|
勘三郎しずかに冬野行かんとす |
宮崎 善行 |
|
|
選挙戦空まわり冬ざるる |
駿河谷敏枝 |
|
|
捲き方に凝るマフラーに待たされる |
小原 勝 |
|
|
十二月八日夜明くる常のごと |
田中 芳夫 |
|
|
虫喰ひの木の葉の穴の空の青 |
高原 風太 |