獅林寝屋川例会(平成24年3月24日)

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作品集 3  当季雑詠

 

  主宰作品         

           父と子の絆は寡黙春の雪         

 

 

 的場  秀恭

 

  以下会員作品   高得点句(主宰賞として短冊を受賞) 

 

  届けます感動笑顔春球児

 森     一心

 

 自転車で僧侶が走る彼岸西風

 高松   惠子

 

 この町の一角ぬくし酵母パン

 池田恵美子

 

 塩梅のよき花菜漬朝の膳

 浜田   清美

 

 天守より秀吉も見し梅林

 田中   幸雄

 

 好日の四十年や春ふたり

 江坂志津子

 

 手品師の鳩とり出して春うらら

 佐々木まゆみ

   

 志野焼のほのかな紅や春の色

 柄須賀咲智子

 

 待つほどに雨はゆたかに春さそふ

 馬場   豊子

 

 重たくて毛布を引けば猫眠る

 荒木   律子

 

 老いてなほお雛様ほど暇はなし

 中木村清子

     

 枯れしもの土にかへりて草萌ゆる

 山本 フミ子

 

 空の青引き寄せほつと枸杞(くこ)芽吹く

 田畑  房子

 

 春炬燵姉の手紙を又読みぬ

 大原 ふじ子

 

 湯豆腐の湯気の向うに赤ら顔

 道上   春子

 

 春海のあおさよ陸は瓦礫山

 高松   勝代

 

 卆業や君らに待ってる新天地

 藤本   一美

 

 ボール蹴る声の弾みや春近し

 大竹   昌子

 

 覚えなき人の会釈や暖かし

 増田   雅子

   

 幸せの善男善女雛句会

  大平   久子

 

 荒つぽく抱きしめて去る春一番

 小原   勝

 

 一会には一会の縁梅の寺

 塩坂   和子

 

 父よりも大きな歩幅卆業子

 あめ・みちを

      

 聞き覚えある声の主春の夢

 阪本      彰

 

 いつまでも卒業出来ぬ親心

 増岡   一代

 

 空いているふらここの下水溜り

  阪本      彰

 

 思い出を辿り辿りて卒業す

 富田  恭子

 

 梅林に道開けくれし車椅子

 東         徹

 

 ふりむけば高野三山春時雨

 堀    芳子 

 

 復興や尖る土にも下萌る

  久山田鶴子

 

 卒業の今日が最後の逆上がり

 大庭   宣子

 

  混沌が少し弾けて地虫出づ

  田中      俊

 

 春風や花びらのごと蝶がとぶ

 藤本   政子

 

 雨過ぎて野山まぶしき芽ぶきかな

 川口   静穂