獅林第十一回北嶺忌句会 (平成21年1月24日)
作品集 1 当季雑詠
|
主宰作品 その先の思案及ばず寒の雨 |
的場 秀恭 |
|
|
以下会員作品 ○ 主宰選句 ◎ 主宰特選句 |
||
|
|
立つほどに厚き獅林の正月号 |
森 一心 |
|
|
雪の比叡ま白き心もて仰ぐ |
根来久美子 |
|
|
星一つ光らせぱらりと夕時雨 |
駿河谷敏枝 |
|
○ |
鷽替(うそがへ)や虚実のあはひ押しあへる |
須藤みさを |
|
|
夜の炬燵なくてはならぬ人と居り |
いがらしかずを |
|
|
もう一つ居場所がありて初句会 |
有馬 正恵 |
|
○ |
読初は孫に添寝のよみきかせ |
井上 幸郎 |
|
|
誉められず苦にもされずに山眠る |
乳原 孝 |
|
|
寒晴の点晴なりや鳶一羽 |
あめ・みちを |
|
|
この家にエゴ二つ棲む除夜の鐘 |
高原 彊次 |
|
|
射終れば幼な顔なり弓始め |
安田ミヨ子 |
|
|
福笹を受けるならひの母の福 |
三ツ木尚子 |
|
|
重箱を拭い正月仕舞いけり |
岸 薫 |
|
|
先生の犬が駆けてる春隣 |
宮崎 善行 |
|
|
ど忘れを許しあふ仲日向ぼこ |
的場ヒサ子 |
|
|
ひと日毎ふくふくふふむ梅明かり |
池田 慶子 |
|
○ |
大寒や身を細うして茶をすする |
大庭 宣子 |
|
|
形あるものみな凍てて夜の帷(とばり) |
塩坂 和子 |
|
○ |
福笹の鯛が人波泳ぎ来る |
田中 康雄 |
|
|
晩学や消すを忘れる足温器 |
小原 勝 |
|
○ |
雪催噛み合いにくき鍵の穴 |
塚田カヅヱ |
|
|
比良比叡紺青に明け初鴉 |
田中 芳夫 |
|
|
木枯に押し流される入日かな |
的場ヒサ子 |
|
|
伸びやかに生きむと思ふ明の春 |
野村 朴人 |
|
○ |
寒紅の淡く残れる薬指 |
香田 きぬ |
|
|
冬晴れや指一本で扉のひらき |
青山 正枝 |
|
|
片付けのつもりの古本冬うらら |
増田 雅子 |
|
|
木の葉散るたびに老婆の南無阿弥陀 |
山浦 純 |
|
|
凍つる日の演説喝采ワシントン |
有馬 正恵 |