平成20年7月5日 獅林七月例会

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作品集 2 当季雑詠

 

 主宰作品        ことりとも音立てず蟻列を引く

                                                 的場秀恭

以下会員作品   主宰選句   主宰特選句

  

さくらんぼ一番先に孫呼んで

大平久子

 

淀川の恋やボートは闇に溶け

平井孝治

 

闇へ発つ蛍に手を振る母娘

梶谷予人

 

許し合ふ友なる犬と昼寝かな

小原 勝

 

雨だれの音万緑を膨らます

田中 俊

 

うちふるひ孔雀サボテン開きけり

駿河谷敏枝

 

脆弱な大地を蟻は常に這ふ

小原 勝

 

半紙いっぱい「夏空」と子が書ける

高野文子

 

滝をすぎ水に戻りし水の色

乳原 孝

 

打水に土の匂ひや裏通り

安田ミヨ子

  

炎天の思考堂々めぐりかな

東  徹

 

黴匂ふドイツ歌曲の名盤に

牧瀬祐子

 

競泳の勝者の水着称へらる

田中芳夫

 

水面より雨となりけり花菖蒲

乳原 孝

 

折角のマニユキアの指草を引く

牧瀬祐子

 

菖蒲湯に父の背中を思い出す

平井政博

 

夏蝶の息整へて翅合はす

的場ヒサ子

 

埋まらぬ心の隙間冷奴

田中康雄