平成19年3月17日(獅林寝屋川例会)

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作品集 1            兼題 「青き踏む」

        踏青や笑まへば揺るる耳飾り 的場秀恭 主宰
印は主宰選句、は主宰特選句
  古戦場なりし野に来て青き踏む 三木市子
  園児らのスモック姿や青き踏む 樋口ゆう子
  微笑みをわすれぬ余生青き踏む 田中康雄
  長堤の蕪村の故地に青き踏む 田中芳夫
  青き踏む淀の恵みを受け継ぎて 橋川斐子
  鳥の呼ぶ坂の上まで青き踏む 岡 美智子
  踏青の起伏を駆けし幼き日 福井勝子
  万葉の碑(いしぶみ)訪ね青き踏む 木寺茂子
  靴脱ぎて少女そろりと青き踏む 平山茂子
  これからのことはさて置き青き踏む 馬場豊子
  ついてくる鹿の親子と青き踏む 池田恵美子
  輪唱は途絶えぬままに青き踏む 乳原綾子
  青き踏む風の色香を供にして 川辺秀江
  青き踏む有るか無きかの土踏まず 小原 勝
  青き踏む幼なに遊び教はりて 野口貞子
  青き踏み助走静かに跳躍す 向山純子
  石仏の微笑む故郷青き踏む 田畑房子
  ささやかな冒険もよし青き踏む 高原疆次
  踏青や脛にやわらか蓬摘む 須藤みさを
  青き踏む足裏よりの息吹かな 柄須賀早智子
  青き踏む早足といふ習ひ性 東   徹
  首の骨こきりと鳴らし青き踏む 森 一心
  青踏むやすでに一児の親となり 平橋道子
  お地蔵の童顔やさし青き踏む 塩坂和子
  此の季語を呟きながら青き踏む 梶谷予人
  踏青やすらりと伸びし子の背丈 藤井洋子
  愛犬に曳かるるままに青き踏む 大平久子
  青き踏む見ぬちにひかり宿るまで あめ・みちを
  青き踏む小川にかかる丸太橋 二宮節子
  幸せの四つ葉探しに青き踏む 木村安子
  新品の万歩計つけ青き踏む 池田慶子
  踏青や川をはさみて声かわす 小西由紀
  顔見知りの犬に声かけ青き踏む 香田きぬ
  踏青や棲みつく憂さを捨てにゆく 高橋幸子
  走り寄り幼子抱き青き踏む 久山田鶴子
  車椅子の高さに触れし青き踏む 山崎貞子
  踏青や心遊ばす万葉歌 平井孝治   
  青き踏む飛鳥の里の石舞台 田中幸雄
  すれ違ひ出来ぬ畦道青き踏む 山本フミ子
  子に頼る気などさらさら青き踏む 井上幸郎

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