獅林第二十一回北嶺忌句会 (平成31年1月28日) 

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作品集 2 当季雑詠

 主宰作品

            落ちてなほ匂ふ色もつ寒椿 

 

 的場 秀恭

以下会員作品     主宰選句   

 

 梅ふふみ祝詞(のりと)賜はる胸の嬰

 田原 知子

      

 姉さまといよよ似てきて初鏡

 増田 雅子

 話すこと尽きていや増す寒さかな

 弘   操

 いくさなき御代ありがたし福茶飲む

 野村 朴人

 ハルカスを巻くかに鳩の初飛翔

 岸   薫

 浮きたがる紅茶のレモン春霞

 松島 圭伍

   

 大晦日「カモンベイビー」子等が舞う

 平田 市子

 大根の一本や二本なら引ける

 華 呼々女

     

 冬将軍列島またぎ仁王立ち

 武田としお

 弱音もう吐くな泣くなと寒の月

 根来久美子

 さみしいと言えぬさみしさ冬ごもり

 田中  俊

 

 寒日和八十路の歩み踏みしめて

 大平 久子

 

 松すぎてもうチョコレート買ふ話

 上村 篤信

 枯葉とも見ゆる鳴かずば枝の鳥

 長谷川澄江

 

 「まあだだよ」稚児の大声日向ぼこ

 的場ヒサ子

 蕗の薹の坊や現はる古葉の下

 梶谷 予人

 

 初場所や和服の華の咲く桟敷

 新居 純子

 

 ゆずり葉や父に背いた兄の逝く

 江草 純子

     

 熱測る母の額や風邪嬉し

 小原  勝

     

 娘に背を流され湯気にちる小雪

 矢野 悦子

     

 悪戯の童と合ふ目春隣り

 高原 風太

     

 硝子戸の痛点叩く北颪

 あめ・みちを

     

 春隣小雨に土の匂ひ初む

 伊藤 香織

     

 一月の空へひとつの声放つ

 門田てる子

 憶測で話はずます春近し

 阪口  悌

 

 蜜柑剥く傷つけぬ様そつとむく

 河合 和彦

                  

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