獅林九月例会(豊中句会) (平成30年9月15日)
作品集 3 当季雑詠
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以下会員作品 | ||
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表札は夫の名のまま秋風鈴 |
森 一心 |
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水澄むや月に火星にどんな水 |
岸 薫 |
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紺碧の空を残して野分去る |
弘 操 |
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新涼の夜風を入れて子の寝息 |
矢野 悦子 | |
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秋鯖と勿体振って弁当屋 |
根来久美子 |
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物言えぬ思いしずかに鉦叩 |
小寺 保子 |
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倒木の吐息をのぞく台風過 |
山下 静子 |
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人間のメッキを剥がす稲光 |
松島 圭伍 |
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秋の声静寂にもあるひとりごと |
山浦 純 |
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爽やかや風にぎるごとややの指 |
友成 陽子 |
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見上げては遂に見つけし銀杏の実 |
有馬 正恵 |
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新涼や疲れ忘らる宵の駅 |
堀 芳子 |
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美容師の鋏さはやかなるリズム |
大平 久子 |
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天高し真二つに開く旅鞄 |
田中 俊 |
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秋風の後ろより来て囁けり |
あめ・みちを |
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鳴き砂の浜辺に立ちて秋思かな |
大本 和俊 |
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恋文のように手渡す銀木犀 |
華 呼々女 |
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スカーフは青夏痩せの首巻いて |
金子 和子 |
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天も地も震える日本厄日なり |
平田 市子 |
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ふと目覚め音に聞き入る秋の雨 |
田中 秀明 |
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容赦なき自然の脅威ちちろ鳴く |
梶谷 予人 |