獅林第十六回北嶺忌句会 (平成26年1月18日)
作品集 1 当季雑詠
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主宰作品 思案また振り出しになる寒の雨 |
的場 秀恭 | |
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以下会員作品 ○ 主宰選句 | ||
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幾年の命眠らせ冬木立 |
いがらしかずを |
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体重計おづおづのぼる三日かな |
的場 ヒサ子 | |
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北嶺の遠くなりゆく初霞 |
池田 慶子 |
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歌声のように風花流れくる |
宮崎 善行 |
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余生ふと脳をかすめる年の暮 |
田畑 房子 |
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宙に舞う梯子片手の出初式 |
増岡 一代 |
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○ |
グラタンに唇焼かれ雪催 |
香田 きぬ |
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手袋に穴を見つけて指通す |
田原 知子 |
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北嶺忌まみゆ慈顔に湧く力 |
大平 久子 | |
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息吸うて吐けばもう過去薄氷 |
的場 ヒサ子 | |
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○ |
まつしろな一行詩のごと大根引く |
宮崎 善行 |
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○ |
着ぶくれの犬も会話の輪の中に |
小西 由起 |
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葉牡丹の紅白ありて吉を呼ぶ |
田中 幸雄 |
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握るのは希望と勇気懐手 |
森 一心 |
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寒稽古五体少しづつ目覚め |
森本加寿子 |
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大寒や畳の縁でつまづきぬ |
宮崎 善行 |
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枯蔦にからめ捕られし土蔵かな |
池田 慶子 |
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初夢に久し聞くなり亡母の声 |
浜田 清美 |
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電柱の等間隔に佇つ寒さ |
あめ・みちを |
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炬燵にて巡るルーブル美術館 |
香田 きぬ |
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手を合はす北嶺はるか雪催 |
森 一心 |
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どんど火に友の快復願うなり(峯松秀吾さんのこと) |
増岡 一代 |
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皆同じ瞳をして見つめる初日の出 |
大庭 宣子 |
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○ |
三年を埋めるつもりの日記買ふ |
香田 きぬ |
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神棚の白梅ほろり咲き出しぬ |
池田 慶子 |
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成人の日遺影を抱きて海を見る |
野村 朴人 |
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鱈の身はほろと解れて箸に乗る |
小原 勝 |